なぜ病院に転職しようと思ったのか
私は新卒の時は最初は大手の調剤併設のドラックストアに就職しました。
理由は一つ。在宅がやりたかったからです。
就職してからイメージと違うことももちろんありましたが、就職して2,3年目には在宅医療をやっている店舗に配属になり、毎日仕事量はかなり多く忙しい毎日でしたが、当初やりたかったことはある程度やれている状況ではありました。
しかし、ある日突然夫の転勤が決まり転職しなければいけないことに。
ここで当然最初は、同業の薬局への転職を考えました。しかし、ふと思ったのです。「本当にここままでいいのかな・・・と」。やりたいことはやっているはずなのに、漠然とした不安がそのころの私にはありました。このまま薬局の仕事だけやっていっていいのか。もっと勉強した方がいいのではないか。
このままでは時代の流れについていけなくなる、使えない薬剤師にはなりたくない、当時の私は生意気にもそんなことを考えていました。ある程度の調剤業務は入社して数年たつとこなせるようになっていましたが、輸液や疼痛コントロールなど、在宅医療に関われば関わるほど、自分の知識不足を実感したからでもあります。
そして思い切って転職活動をして最終的には、地方の精神科が主の病院に転職しました。
ここが大変でした・・・
さて無事病院に転職でき、不安と期待が入り混じる中の初出勤。
まず何が一番苦労したかというと、業務内容が全く違うことです。
薬局での仕事はある程度慣れていたものの、流れがそもそお違うのでとても戸惑いました。
基本的には午前中は院内の調剤と監査をしつつ、そのほかに外来患者さんの調剤、監査、投薬、午後はカンファがあったり、患者さん向けの勉強会の開催、さらにその合間に調剤薬局からの疑義紹介や医師看護師からの問い合わせ業務と多岐にわたります。またそもそも電子カルテも初めて触るため、何がどこに記録してあるのかもさっぱりで、本当に1から先輩に教えてもらいました。
さらに精神科病院のため入院患者さんの薬はほぼ100%一包化だったのでが、分包機も触ったことのないタイプだったのでここでも悪戦苦闘・・・本当に新人薬剤師に毛が生えたような働きぶりだったと思います。特に機械は慣れるまで時間がかかりました。
転職してよかったこと
苦労もありましたが、やはり転職してよかったと思います。何よりも一番の収穫は医師や看護師の方と距離が近い病院だったということもありますが、チーム医療に携われたことです。
もともと精神科病院のため医師、看護師、OT、PTの方と距離が近い病院だったせいももちろんありますが、電子カルテでなぜその処方になのか、すぐ確認できたり直接聞く機会が持てたことは本当に勉強になりました。また院内の勉強会や定期的に薬の説明会も行われていたため新薬の情報も入りやすい環境だったのはありがたかったです。なにより圧倒的に業務内容がかなり違うのでわからないことだらけだった分、調べて勉強していくことで視野が広がりました。
後悔したことは・・・?
特にないというのが正直なところです。
ただあえて挙げるとすれば、大手の薬局のように数年で店舗移動ということはまずないので
取り扱う薬品数は限られてしまい、知識のかたよりは多少心配がありました。
特に精神科だったこともあり内科の薬は最低限。新薬や合剤が次々と発売される中不安はありました。しかし、それは自分で勉強すればある程度は補っていけるのでさほど問題ではないように感じました。
また比較的小規模の薬剤部だったため、人間関係も心配でしたがそこは本当にご縁に恵まれて楽しく働けています。仕事を教えてもらうのも薬局だとひっきりなしに外来患者さんが来局してじっくり教えてもらう時間をつくるのは難しい現状がありますが、病院の薬剤部は比較的自分たちのペースで仕事が進められるため教える時間もしっかり作ってもらい、この点も薬局よりいいなあと思いました。もちろん忙しい日は本当に忙しいのですが。